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計算メモ

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Brink波動関数

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Brink波動関数とは?

核子ガウス関数で表したもの。 様々な模型で用いられてきたが、現在最も汎用性の高いと思われるAMDでも用いられている。 ja.wikipedia.org

具体例

$$ \begin{align} \phi_{i}(\boldsymbol{r};\boldsymbol{Z}) & =\left(\frac{2\nu}{\pi}\right)^{3/4}\exp\left\{ -\nu\left(\boldsymbol{r}-\frac{\boldsymbol{Z}_{i}}{\sqrt{\nu}}\right)^{2}+\frac{\boldsymbol{Z}_{i}^{2}}{2}\right\} \label{1nucleon} \end{align} $$

ここで、$\nu$はガウス関数の幅を調節するパラメータ。$\boldsymbol{Z}_{i} $は$i$番目の核子の座標で現在では複素数で表されている。$()^{3/4}$は規格化定数。

$\boldsymbol{Z}_{i}^{2}/2$は計算を楽にするために付け加えられた項で、本質ではない。回転不変を満たしていることに留意せよ。

この例では$x,y,z$に関して等方的だが、$3\times3$正対称行列$^{t}M=M $を導入することでより柔軟な記述が可能である。$(\ref{1nucleon})$式と表記が違うのは許してほしい。この場合の計算も時間があったら載せようと思う。(計算量が圧倒的に多い。)

$$ \begin{align} \phi_{i}(\boldsymbol{r};\boldsymbol{Z}) & =\left(\frac{|2M|}{\pi^{3}}\right)^{1/4}\exp\left\{ -^{t}(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{Z}_{i})M(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{Z}_{i})\right\} \end{align} $$

$A$体系は $$ \begin{align} \Phi(\boldsymbol{Z}_{1}\cdots\boldsymbol{Z}_{N}) & =\frac{1}{\sqrt{A!}}\begin{vmatrix}\bra{\boldsymbol{r}_{1}}| \ket{\varphi_{1}} & \cdots & \bra{\boldsymbol{r}_{1}}|\ket{\varphi_{A}}\\ \vdots & \ddots & \vdots\\ \bra{\boldsymbol{r}_{A}}|\ket{\varphi_{1}} & \cdots & \bra{\boldsymbol{r}_{A}}|\ket{\varphi_{A}} \end{vmatrix}\\ \varphi_{i} & =\phi_{i}\otimes(\alpha_{i}\chi_{\uparrow}+\beta_{i}\chi_{\downarrow})\otimes\eta_{i} \label{kakushi} \end{align} $$

のように記述される。$\chi,\ \eta$はそれぞれスピンとアイソスピンを表す。$\boldsymbol{Z}_{i},\ \alpha_{i},\ \beta_{i},\ \nu$を変分によって決定している。面白いことに、これは構成粒子数の異なるクラスターから成る系に拡張できる。これも時間があれば書こうと思う。

以下では、簡単のために$\alpha$粒子を仮定し、スピンは上下のみとする。 $N\alpha$系は以下のように記述される。$(\ref{kakushi})$式は、例えば陽子のスピンが上のとき $$ \begin{align} \varphi_{i} & = \phi_{i}\otimes\chi_{\uparrow}\otimes p \end{align} $$ となる。

オーバーラップ(重なり積分

後々、頻繁に出てくる量なので最初に計算しておこう。

$$ \begin{align} b_{ij}\equiv\bra{\phi_{i}}|\ket{\phi_{j}} & =e^{\boldsymbol{Z}_{i}^{*}\cdot\boldsymbol{Z}_{j}} \end{align} $$

この通り、非常にすっきりした形になる。 我々が扱うのは非直交基底なので、$b_{ij}\ne\delta_{ij}$に注意。

次回は、ノルムの計算を書こうかな。

参考文献

*1:追記する予定。まだ私の記述スキルがないため読みにくいと思う。